【株式】ストック・オプションとは?知っていると得をする株式用語
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【株式】ストック・オプションとは?
ストックオプションとは、企業の役員・従業員らが将来の一定の期間内、事前に決めた価格で自社株を取得できる権利。
いわば自社株が将来上昇することを前提にした報酬制度だ。
権利をもらった社員は、株価が上昇した時点で権利を行使し、会社の株式を取得。
ストック・オプション制度導入の長所・短所とは?
ストックオプション制度には、賞与を現金で支払う場合に比べて、以下のような長所がある。
・手元に現金がある必要がない。
このため、財務の余裕がなくても人材を集められる。
・株価に基づく報酬体系である。
このため、指標が明確であり、また会社(株主)の目標と従業員の目標の間にズレが生じない。
・株価が上昇基調にある限り、従業員の忠誠心やモラール(士気)の向上が期待できる。
税務上による税金節約
逆に、短所として以下の点が挙げられる。
・オプションの行使によって多額の報酬を手にした人材が流出する危険性。
・不況で経営努力が株価に反映されない状況では、従業員のモラールの低下が起こりうる。
・付与基準が不明確な場合は、不公平感による従業員のモラールの低下が起きる。
・株式の希薄化による既存株主の経済的損失の可能性ストックオプションの行使にて入手できた社員とできなかった社員との二層化
税務上の取り扱いは?
国内企業が国内の従業員などに与えているストックオプションは、原則として「給与所得とする」と税法上定められている。
これに対し、外資系企業の日本法人の従業員などに与えたストックオプションの行使で得られた利益にかかる税金については、対象となる外資系企業(親会社)と直接の雇用関係がないことから、1998年分までは、税額の低い「一時所得」として処理するように国税当局により指導されていた。
その後、当局が給与所得として申告するよう統一指導を始めたが、地方各局に徹底されるまでに時間がかかり地域によって不公平な課税がなされた。
さらに1996年の申告にまで三年遡及して給与所得として追徴課税したケースもあり、課税区分をめぐり約100件の訴訟が係争中であったが、2005年1月25日、最高裁は「給与所得に該当する」との初めての判断を下した。
ストックオプションの歴史
元々ストックオプションとは、アメリカで株式や社債を販売するために魅力付のアイテムとして利用されていた制度です。
その他、ストックオプションを用いて有能な経営者を招き入れ、破産企業の再生を行う為にも行使されていました。
アメリカでは、1950年の税制改正によって従業員・取締役に税務上の恩恵が与えられた為、一気に拡大していった制度です。
日本では、1997年までストックオプションという制度は認められておらず、実務界では新株引受権(会社が発行した株式を優先的に引き受ける権利)を行使した擬似ストックオプション制度をソニーやソフトバンクが取り入れていました。
こうした実務界のニーズや、当時株価が大幅に下落したことを受けて1997年、景気対策の一環として商法上初めてストックオプションという制度が設けられました。
しかし、この時点では、まだ付与対象者や発行数に制限があったりといくつかの使い勝手の悪さがありました。
そういった点を改善するために「新株予約権」という権利をつくり、ストックオプションの制度を改善したのです。
この新株予約権のうち、インセンティブ目的で社員や取締役に対して付与される場合が一般的にいう「ストックオプション」です。社員や取締役に新株予約権が付与された場合は、税務や証券取引上でいくつかの優遇処置が認められている為、非常に有利であるというイメージがつきました。